王座戦2021 振り返り
2年生の南條です。3日間の王座戦お疲れ様でした。
私個人の成績としては、対早稲田大戦に6将として出場させて頂き敗戦、0-1という結果に終わりました。対局相手は学生将棋界でもトップクラスに強い方だったようですが、アマ棋界に疎い私としては下馬評は関係ないはずであり、敗戦はもちろんのこと、ふがいない内容でチームの足を引っ張ってしまったことを申し訳なく思っています。戦型は私の後手三間飛車に対し、相手の中飛車左穴熊でした。穴熊に組む手順に隙ありとみてこちらから積極的に動きましたが、思うような戦果が上がらずその後の構想に苦労しました。局後の検討では互角の評価値に戻る局面が断続的にあったものの、指し手の一貫性を欠き一方的な将棋になってしまいました。自分の序盤研究の甘さ、未知の局面になった時の大局観の悪さ、将棋の芯の弱さを痛感した一局でした。また序盤の何気ない部分で湯水のごとく時間を消費し、勝負所の局面でフラフラと次の一手を決めてしまったことも反省点です。
ベンチでの待機中には他大戦の戦型チェックや雑談掲示板の実況、大将戦の棋譜取りを担当させて頂きました。実況中に皆さんの熱戦を観戦できたのは大変勉強になりました。特に1日目の京大戦では、均衡を保つのが難しい局面での、主力メンバーの勝負観を多く拝見できました。一方で対局を控えているメンバーが実況を担当していることも多く、対局数の少ない自分がもっと実況等をこなすことで他のメンバーへの負担を減らすべきでした。また他大学戦を観戦した際には、思いの外対抗型や相振り飛車が多いという印象を受け、これらの戦型に対する知識をさらに深める必要があると感じました。
チーム全体としての成績は5-4で5位でした。最後は個人の1勝が順位を左右する激戦となり、主力メンバーの皆さんの考え抜かれた一手一手が個人の1勝となり、チーム全体の勝ちに繫がるその遠大な過程に感動しました。同時に「あと1勝」という状況下で、その1勝を期待できないような立場の自分に歯がゆさを覚え、申し訳なく感じました。特に3日目の8,9回戦のようにオーダーを変更せざるを得ないような状況や、本来主力メンバーの皆さんが敗戦された時のカバーをしなければならない、我々の層の棋力が不足している点は大きな課題です。今年で卒業される先輩方の穴を埋めることも考えると、私もさらなる棋力向上を目指さなければなりません。具体的には来年以内にリーグ戦でA級に上がることを目標としたいです。
(王座戦とは直接関係しませんが、)私が今年入部したばかりの頃は部室に入る事すら敷居が高く感じました。それでも同学年の皆さんと将棋を指したり感想戦で先輩方に教わる中で、将棋部に行くことがとても楽しくなりました。今では学業や研究、アルバイトで忙しい中で将棋に励まれる皆さんが眩しく感じます。先輩方や同学年の皆さんから頂いた恩恵を後輩に還元し部を盛り上げるためにも、皆さんの姿勢からは、将棋の内容以外にも多くのことを学ばなければなりません。来年以降自分より学年が下の部員が増えることが予想される中、どうすれば皆さんにより気持ちよく部室を使ってもらえるのか、もう少し考えながら過ごしたいです。
最後になりましたが、今年入部したばかりで大した実績もない私を全国大会のメンバーに入れて頂き、さらにはシビアなオーダー構成の中対局の機会まで下さり本当にありがとうございました。